一般住宅、とりわけ木造住宅の新築や増・改築の計画・構造施工の中核的な作業を行うのが主な仕事です。
日本の伝統的な建物は木造建築で、この木造住宅づくりの中心的な役割を果たすのが建築大工で、古い言葉で「棟梁」ともいわれます。日本の気候風土にもっとも適している在来軸組工法木造住宅をはじめ、宮大工として社寺仏閣などの文化財の新築・修復保存など、長年の伝統技術を継承することも期待されています。鉄骨造・鉄筋コンクリート造りなど木造でない建築も増えてきてはいますが、内部はやはり木質系材であり、その加工、組立、取付を行います。また、建築大工は工務店の店主を兼ねることも多く、木造建築工事の設計・施工を一貫して請け負うことも多いようです。
技術や経験が必要な仕事だけに、まず職業能力開発施設や専門学校で所定の訓練を受けてから住宅メーカーなどに就職するのが一般的になって来ています。一方、近隣の人や知人の紹介によって地元の棟梁や工務店に弟子入りするケースもあります。この仕事には、伝統技術を受け継ぎながら新しい住宅への要求に応えてゆくだけの向上心と器用さ、そして体力や統率力も求められます。腕前と統率力が向上すれば、独立して自営することも可能です。また、規模の大きな木造住宅の設計、工事管理をするには2級建築士や木造建築士の資格を必要とするため、この世界で大工の親方と呼ばれるような人たちの多くは、資格を持っています。